種類:世界遺産 史跡
橋野高炉跡は、岩手県釜石市橋野町にある国の史跡。世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一つで、明治産業革命に大きく貢献した高炉である。1858年に近代製鉄の父と言われる盛岡藩士、大島高任の指導で建設された日本最古の西洋式の高炉で、周囲の鉄鉱石から全盛期では1125トンもの鉄を生産した。3つの高炉を建設し、全盛期には1000人もの人員がこの高炉で働いていた。現在も、高炉で使われた石組みや礎石や水路などが残されている。
高炉は、4段の花崗岩が組まれていた。四段以上は漆喰壁であった。最上段には四角の穴があり、柱穴と考えられる。南側はフイゴ座、東側は湯出しとなって開口している。開口部の上方には三角の穴があるが、鉄梁が渡されていた。南側の四角の穴は、フイゴ座の梁が挿入されていた。
橋野高炉跡周辺のジオ
橋野高炉跡の周辺は花崗岩が良く見られる。これは、1億4千年前に地表近くに上昇しマグマがゆっくりと冷却して出来たと考えられる。南側にはマグマにより溶かされ、変成した柘榴石や緑簾石を主とする地質が出来ている。その中には、鉄鉱石や銅鉱石も含まれており、橋野高炉は鉄鉱石を製鉄の原料に、花崗岩を高炉石組みや水路石垣の部材として利用していた。