平沢官衙遺跡は、いまから千年以上前の奈良・平安時代の常陸国筑波郡の役所跡である。1975年の調査で重要な遺跡である事が判明し、1980年に国の史跡に指定された。
調査では、一般の遺跡では見られない大型の高床式倉庫と考えられる建物が数多く並び、それらを大きな溝が囲むという遺跡の全容が明らかになった。倉庫跡は、そのころの税である稲や麻布などを納めた、郡役所の正倉跡と考えられる。出土品は近くの歴史案内所で展示されている。
寄棟・目板打ち厚板流れ葺
寄棟・萱葺
土壁構造で復元されたもの。本遺跡最大級の建物の高床土壁塗双倉は、床面積125m2を超す大型倉庫である。
切妻・榑板葺
側柱穴に2本の柱痕跡が見つかっている。1本は床、もう1本は床の上まで伸びて建物の桁・梁を支える通し柱であったと考えられる。