旧角海家住宅は、現存する黒島地区の代表的な廻船問屋住宅。現在の屋敷構えは、1871年の大火の跡に順次整えられ、地元の名匠・工藤藤兵衛によって再建された。
主屋は木造二階建てで、切妻造平入りの桟瓦葺。表通りに面した正面は、庇を絵様付の持送で支え、庇下にさがりと呼ばれる風除けの幕板や、大戸口と簾虫籠、格子などを設けており、つし二階は軒廻りまで漆喰を塗り込めて虫籠窓をつけている。側背面は海風除けのために下見板張りとなっている。
間取りは、表通りに並行して店の間・帳場・中の間・座敷と並び、庭を取り囲むように居室を配置し、家族の居間や海を臨む望楼が配置されている。中庭をコの字に囲む配置はミツボカコイと呼び、黒島地区では良く見られる。