川原町(湊町・玉井町・元浜町)は長良川の川湊として繁栄した。古くは中河原と呼ばれ、ここを貫いている表通りは中世からの古い道筋で、斎藤道三、織田信長の城下町の時代には市場も開かれていた。
近世から近代を通じて、上流からの和紙や木材などを扱う大きな商家が軒を連ね、長良川流域の拠点として栄えた。落ち着いた雰囲気を見せる町並みに、切妻平入り、窓に格子を施し、真壁造漆喰仕上げした伝統的な町家が並んでいる。
江戸時代には、尾張藩がここを治め、長良川役所が置かれていた。ここを下る荷船から船役銀を徴収していた。荷物は、竹皮・酒・灰・炭・紙・木材・茶・米など多彩であった。それらを取り扱う紙問屋・材木問屋などが軒を連ねていた。今でも当時の商家を偲ばせる格子造りの町家が建ち並ぶ。
軒屋根に設けられた屋根神様は町内を火災から守る秋葉様である。