種類:白面金毛九尾の狐 玉藻前
「殺生石の由来」
昔、中国やインドで美しい女性に化けて悪行を重ねていた白面金毛九尾の狐が今から800年程前日本に渡来した。九尾の狐は、「玉藻の前」と名乗って朝廷に仕え、日本国を滅ぼそうとした。しかし、陰陽師阿部泰成に正体を見破られると、九尾の狐は那須野が原まで逃げてきた。
ここでも九尾の狐は悪さを繰り返していたので、朝廷は三浦介、上総介の両名に命じて九尾の狐を退治した。この時、九尾の狐は姿を毒石に変え毒気を放ち始め、近づく人や獣を殺し続けた。これを聞いた泉渓寺の源翁和尚が毒石に向かって大乗経をあげ続けると、一筋の白煙とともに玉藻の前の姿が現れ、石は三つに割れて飛び散り、一つがここに残った。それ以来、人々はその石を殺生石と呼ぶようになった。