開基:前田利常
創建:1614年
正式名称:高岡山瑞龍寺
曹洞宗高岡山瑞龍寺は、加賀二代藩主・前田利長の菩提を弔うために三代藩主利常が1614年の創建した寺院である。利長は高岡に築城しこの地で亡くなった。加賀百万石を譲られた義弟利常は、深くその恩を感じ、時の名匠山上善右衛門をして七堂伽藍を完備し、広山禅師をもって開山した。
造営は1644年から1663年までの約20年の歳月を要した。当時は寺領は3万6千坪、周囲に壕をめぐらした、城郭のような姿であった。
現在、山門、仏殿、法堂が国宝に指定されており、総門、禅堂、大庫裡、回廊、大茶道が国之重要文化財に指定されており、江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されている。
-伽藍及び建造物-
伽藍は、鎌倉時代広くわが国にもたらされた中国の寺院建築を模して建立されたもので、総門、山門、仏殿、法堂を一直線に配列し、左右に禅堂と大庫裡を置き、加えて四周を回廊で結ぶなど、厳粛且つ整然たる伽藍構成である。
-山門(国宝)-
1645年に建立され、1820年に再建された。当時としては珍しく和算により設計されている。
-仏殿(国宝)-
1659年に建立。山上善右衛門の最も心血を注いだ力作の一つで、総欅造り。屋根は鉛板をもって葺かれている。これは全国でも金沢城の石川門にその例を見るだけである。上層軒組は、禅宗建築の純粋な形式であり、名ね裏の扇垂木やエビ虹梁など複雑にして妙をえた架構法である。御本尊として中国明代の釈迦如来と、普賢菩薩、文殊菩薩の釈迦三尊像を祀る。
-法堂(国宝)-
1655年に建立。境内第一の大建築、総桧造りの入母屋造、銅板葺き。構造は方丈建築に書院建築を加味したもの。中央奥の内陣には二代目藩主前田利長の位牌が安置されている。
-総門-
正面三間の薬医門形式で1645年頃に建立。