竹林院の庭園は群芳園と称し当麻寺中の坊、大和小泉の慈光院と共に、大和三庭園の一つに数えられる。室町時代の末期に竹林院第二十一代住職裕尊が大峯山にも竹林院を建て、又山上の様子を下院に移して庭園を築造した。その後、豊太閤の吉野山観桜(1,594年)の際千利休がそれまであったものに手を加え今見られるような桃山風の庭園に修築したものである。一説には細川幽斉が改修したとも伝えられている。
池は池泉回遊式の形をとり、奥庭の蓬莱石組が中心になっているのは桃山時代の作風を示し二重集団二重護岸の石組などは室町時代の遺構をそのまま残している。
庭園内には50種ほどの椿や桜、紅葉、馬酔木等が植えられており、吉野山の自然の景観も取り入れ借景式の庭園としても四季折々見る人を楽しませる。