最上峡一帯に分布している天然杉は、蛸足状に幹が分かれた多幹型の老杉が多いことが特徴。この杉は太平洋側のオモテ杉に対してウラ杉と呼ばれ、地元では地名から山ノ内杉、土湯杉とも呼ばれている。
ここ最上峡には樹齢1000年を超えると思われる巨大な杉が数多く自生し、太いもの幹周り15mもあり、枝葉が細いという特徴もある。オモテ杉の代表として屋久杉が知られているが、ここ最上峡の天然杉林も京都の芦生杉、富山の立山杉、隣県の秋田杉と並び最大規模と言われている。また、ブナと混交し林床にユキツバキを持つ点でも他に類例の少ない群生地である。