この竪穴式住居は、1972年に発掘された縄文時代中期後半(約3700年前)の竪穴式住居を復元したものである。竪穴は長方形で、南西側以外の壁際には壁溝がめぐっている。四隅には柱穴があり、入り口部と見られる南西側には、土器を埋め立てた穴が一列に並んで発見された。この形態から、縄文時代中期末に多くみられる柄鏡形の竪穴式住居の初期的な構造と考えられる。
住居中央部のやや奥には、四方を石で囲んだ炉があり、更にその奥には長さ36.5cmの石棒があり、炉の南側には食糧をしまっておく貯蔵穴がある。
この住居は大集落の中の一軒と考えられ、縄文時代の研究をする上で、貴重な資料である。