開基:弘法大師空海
創建:812年
正式名称:獨股山・独鈷山 前山寺
前山寺縁起
前山寺は、新義真言宗の寺院で、本尊は大日如来、かつては信州四ヶ談林の中に数えられた経学の殿堂であり、塩田城の鬼門に位置してその祈願寺でもあった。
812年に独鈷山を護摩修業の霊場として創立。はじめは古義真言にして法相・三輪両宗を兼ね法歳坊・花義坊・地蔵院といっていたが、鎌倉時代に讃岐国善通寺の長秀上人、伽藍建立を発願してこの地に来止し、その規模をかくだいして正法院前山寺としたと伝えられる。境内にある三重塔は、室町時代の建立といわれ国の重要文化財に指定されている。
三重塔
室町時代建立と推定。国の重要文化財に指定。特徴は、二・三層に窓もなく、また廻縁も包欄もなく、横板壁を張り詰め、各柱の下部からは長い貫が四方に突出していることである。これは未完成のためで、各柱の上部壁際に切り込みがあることからも肯ける。しかしみためには不自然さを感じられず、安定と調和を保つ見事な姿といえる。この塔の様式は鎌倉時代末期にはじまった和様と禅宗様の折衷様式である。